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関東大学ラグビーリーグ戦グループ1部(2001/11/04) 於:前橋県営ラグビー場
<試合結果>
T G PG DG 得点 | 総得点 反則
法政大学 :前半: 3 2 2 0 25 |
:後半: 3 2 0 0 19 | 44 15
+-----------------+-------------------------------+-------------+
大東文化大学:前半: 2 2 0 0 14 |
:後半: 4 3 0 0 26 | 40 14
◎出場メンバー
法政 : 1.中村嘉 2.谷口 3.池谷 4.磯岡和 5.藤原 6.浅野 7.大隅 8.磯岡正
9.麻田 10.乗本 11.斎藤 12.赤沼 13.渡辺 14.小吹 15.遠藤
(16.難波 17.岸 18.猪野 19.神山 20.穂坂 21.金澤 22.小滝)
○交替 14→22(後0分交代)、3→17(後30分入替)、1→16(後34分入替)
大東 : 1.藤田 2.林田 3.片岡 4.生沼知 5.相 6.小林 7.井上 8.マヘ
9.山中 10.松尾 11.海老原 12.田中 13.中垣 14.バツベイ 15.大西
(16.島田 17.吹越 18.坂尾 19.丸山 20.吉村 21.岩井 22.藤山)
○交替 3→18(後33分入替)、9→20(後34分入替)
レフリー : 小野塚(日本協会) タッチジャッジ : 中澤、依田、竹渕
◎得点経過
法政大学 0 3 6 11 18 25 25
P P T G G
時間 0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
G G
大東文化大学 0 7 14 14
法政大学 25 32 39 44 44
G G T
時間 0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
T G G G
大東文化大学 14 19 26 33 40 40
※時間×10分,T=トライ(5点),G=トライ+ゴール(7点),P=PG(3点),D=DG(3点),x=PG失敗
◎得点者
法政:前半 1分 乗本(PG)
8分 乗本(PG)
18分 遠藤(T)
24分 小吹(T)、乗本(G)
37分 麻田(T)、乗本(G)
後半 2分 谷口(T)、乗本(G)
23分 斎藤(T)、乗本(G)
38分 小滝(T)
大東:前半13分 山中(T)、松尾(G)
21分 バツベイ(T)、松尾(G)
後半 7分 マヘ(T)
11分 バツベイ(T)、松尾(G)
26分 吉村(T)、松尾(G)
28分 生沼(T)、松尾(G)
◎試合内容
先週の熊谷で明暗を分けた2チームが第1試合と第2試合に分かれて登場。その明
暗が1週間でそっくり入れ替わってしまった(「明」の東海大は中央大に元気なく
敗れ、「暗」の大東大は法政と大接戦を演じた上で惜敗)のだから、大学ラグビー
はわかない。しかも相手が連勝街道を突っ走る好調の法政だからなおさらである。
「悪夢」を払拭したい大東大は思い切った建て直しをはかってきた。ジャパンのL
Oバツベイを何と右WTBに起用。日本ラグビー史上最重量(117kg)WTBだろ
うか。博打とも奇策とも取れる選手起用だったが、大東大にとって、忘れていた何
かを思い出させるには十分すぎるくらいの効果があったようだ。後僅かのところで
勝利を逃してしまった大東大だが、「ストップ・ザ・関東学院」もまんざら夢では
なさそうと思わせる復活劇ではあった。
[選手起用雑感]
バツベイだけでなく、大東大には注目すべき選手起用があった。このところ先発で
SOを務めることが多かった中垣を右CTBに起用し、司令塔は東海大戦で途中出
場した松尾。日頃はライバル関係にあると思われる2人だが、この試合では抜群の
コンビを見せてくれた。クラッシュ全盛時代にあって、パワーではなくスキル(絶
妙のパスのタイミング)で相手を抜き去るプレーを大学ラグビーでは久しぶりに見
たような気がする。今後の大東の戦いでは、松尾と中垣の新コンビに期待したいと
思う。
一方の法政だが、期待の大型FB遠藤がいよいよ完全復帰。小吹がWTBに回り小
滝は控えという布陣。しかしながら、後半38分に起死回生の逆転トライを決めたの
は途中出場の小滝。このあたりが法政の22人ラグビーの持ち味ではないだろうか。
[前半]
第1試合と同じく強い風のもとでのキックオフ。序盤は風上の法政が押し気味で1
分と8分にPGで着実に得点。一方の大東大もバツベイをWTBに起用した効果は
確実に表れていた。とにかくWTBまでボールを回せば何とかなる(実際になった
のだが)とばかりにどんどんオープンに展開。No.8マヘとLOバツベイの8−5−
8攻撃で縦を突いていたここ数試合の大東大ではなく、走力のあるバックスリーを
活かして外で勝負していた大東大本来の姿が久々に見られた。
そして、13分。トンガコンビにDFの目が集中していたためか、一瞬できたエアポ
ケットを突き、大東大SH山中が法政陣22m付近のラックから出たボールをそのま
まインゴール中央まで運びトライ。4試合で33点しか取られていない法政にしては
意外にあっさりの失点だった。ゴールも成功して大東大が逆転。俊敏な動きで攻撃
の要の役割を果たした山中も本日の大東健闘の立て役者の1人と言っていいだろう。
しかしながら、取ってもすぐ取り返されるのところは、やっぱり大東大。18分法政
大、21分大東大、24分法政大とトライの応酬で派手な点の取り合いの様相も。逆転
に次ぐ逆転で、ボールもワイドによく動き(ちょっと大味な面もありながらも)見
ている方には面白い展開となった。
超大型WTBにボールを集める大東の攻撃力もさることながら、一歩も引かずトレ
ードマークの低いタックルで応酬する法政のディフェンスも見応えがあった。ただ、
法政はラインアウトが絶不調で、このことが苦戦を強いられる一因となっていた。
関東学院と戦う上での不安材料のひとつといえそう。
しばらく膠着状態が続いた後、前半終了前の37分に法政は1トライを追加しリード
を11点に拡げる。後半風下に立つことを考えれば、けして安心できない点差。大東
大ファンには期待が膨らむ前半の戦いぶりだった。
[後半]
後半は風上の大東大はできるだけ早く追いついて優位に試合を進めたいところ。そ
んな思惑とは裏腹に、大東大は開始直後の2分にあっさりトライを奪われ、ビハイ
ンドは18点に拡がった。普段ならここでプッツンしてしまうのが大東大。しかしな
がら、7分と11分に相次いでトライを返し、点差は一気に6点まで縮まる。
23分に再び法政が1トライ追加するのも束の間、大東大は26分と28分に立て続けに
トライを奪い、1点差ながらついに逆転に成功した。あとは時間との勝負。ここで
きしくもスタンドから強力な法政(応援)コール。その後押しもあり、法政は最後
の力を振り絞って反撃し、後半、小吹に代わって出場した小滝が執念の決勝トライ。
大東大の死力を尽くした反撃も実らずノーサイドとなった。
[試合後雑感]
4試合で33点しか取られていないチームが僅か1試合で40失点は多すぎる、と思わ
れる法政ファンが多いかも知れない。しかしながら、選手の捨て身とも言える厳し
いタックルがなかったら、法政は勝つことも難しかったものと思われる。
大東大は敗れはしたものの、今後に向けて大きな期待を抱かせる戦いぶりであった。
どうして先週この戦いが出来なかったのかと言いたくもなるが、先週がなければ今
週もないことも事実。来シーズンこそは最初からエンジンを全開にできるように、
チーム作りがなされることを期待したいと思う。
(2001年11月4日記)
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