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関東大学ラグビーリーグ戦グループ1部(2003/09/28) 於:高崎浜川競技場
<試合結果>
T G PG DG 得点 | 総得点 反則
流通経済大学:前半: 3 1 0 0 17 |
:後半: 1 1 0 0 7 | 24 15
+-----------------+-------------------------------+-------------+
中央大学 :前半: 0 0 1 0 3 |
:後半: 4 0 0 0 20 | 23 9
◎出場メンバー
流経 : 1.中井 2.湯原 3.小沼 4.神白 5.グレイ 6.佐藤 7.杉村 8.鈴木(敬)
9.森(洋) 10.アンダーソン 11.鈴木(洋) 12.土生 13.大石 14.徳永 15.森(大)
(16.加藤 17.紙田 18.鈴木(学) 19.伊勢田 20.廣瀬 21.大野 22.永山)
○交替 4→19(後9分入), 8→18(後9分入), 7→20(後36分入)
中央 : 1.千田 2.諸岡 3.長谷川 4.羽立 5.今井 6.日隅 7.森 8.末永
9.正田 10.升本 11.中村 12.橘 13.有田 14.室井 15.今藤
(16.池田 17.藤本 18.石丸 19.久保 20.寺本 21.工藤 22.小俣)
○交替 1→17(後15分入), 5→18(後15分入), 8→19(後41分交),
6→16(後42分交)
レフリー : 谷口 タッチジャッジ : 西澤、辺山、金田
◎得点経過
流通経済大学 0 5 10 17 17
T T G
時間 0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
P
中央大学 0 3 3
流通経済大学 17 24 24
G
時間 0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
T T x T T
中央大学 3 8 13 18 23 23
※時間×10分,T=トライ(5点),G=トライ+ゴール(7点),P=PG(3点),D=DG(3点),x=PG失敗
◎得点者
流経:前半21分 小沼(T)
36分 徳永(T)
41分 徳永(T)、森大(G)
後半15分 グレイ(T)、森大(G)
中央:前半39分 升本(PG)
後半 3分 室井(T)
6分 羽立(T)
25分 室井(T)
33分 藤本(T)
◎試合内容
[試合前の雑感]
流通経済大学(以下、流経大)と中央大学の対戦には忘れ得ぬ思い出がある。
今を去ること6年前の1997年のシーズン。流経大が1部昇格1年目にして初勝
利を挙げた相手が中央大だった。33−31の手に汗握る死闘。この試合を観
なかったら、おそらくこうしてリーグ戦グループの観戦記も書くこともなかっ
ただろう。
組織的で緻密なラグビーを目指しているのが流経大。一方の中央大のラグビー
は言うなれば「魂のラグビー」。全員の心が一つになって前に出るときの力は
底知れぬものがある。ラグビーの原点(闘争心)を思い出させてくれるチーム
とも言える。前評判の高い流経大に対して、中央大がどのような戦いを挑むか
に期待してキックオフを待った。
[前半の戦い]
中央大のキックオフで始まったこの試合、カウンターアタックから流経大は一
気に中央ゴール前に。得点はならなかったものの、以後30分くらいまで、中
央大はほとんど敵陣に入ることができないくらいの圧倒的な流経大ペースで試
合は進んだ。
そんな一方的な展開ながら、流経大がなかなか得点できなかったのは肝心なと
ころでミスが出たから。ボールを持ちすぎてしまい、中央大の執拗なディフェ
ンスに絡まれてオフサイドを犯してしまうことが何度も続いた。ただ、中央大
もせっかく得たPKをタッチアウトできずに、再びカウンターアタックで自陣
まで攻め込まれてしまうことの繰り返し。これでは、なかなか敵陣に行けない。
そんな「膠着状態」の中、21分過ぎにようやく流経大に得点が生まれた。中
央ゴール前でのラインアウトから形成したモールを押し込んでの(いわば力ず
くの)トライ。中央大FWはスクラム、ラインアウトのセットプレーで完敗。
流経大は36分と41分にも得点。いずれも右WTB徳永の力強いランによる
もの。41分のトライは期待の新人SOアンダーソンの絶妙のキックをインゴ
ールで押さえたものだった。
中央大は39分に1PGを返すのがやっと。なにやら流経大の圧勝ムードも漂
う展開ではあったが、このまま終わらないのがこの2チームの対戦。圧倒的に
攻めたにも関わらずなかなか得点できない流経大というのが、1998年シーズン
の両チームの対戦(後半、中央大が大爆発して逆転勝利)を思い起こさせた。
[後半の戦い]
後半は一転して中央大ペースとなる。きっかけはキックオフ直後の流経大のミ
スから。中央大自陣22mライン付近からのキックが(またしても)タッチア
ウトせず、絶好のカウンターアタックのチャンス!と思われたところで流経大
FWの選手が痛恨のノックオン。得てしてこういうイージーなミスが試合の流
れを変えてしまうものであるが、まさしくそうなった。
このプレーを境にして、中央大の得意とする形(FWの近場でテンポよくボー
ルを繋ぎながら前進し、最後に走力のあるWTBが仕留める)が出始め、3分
と6分に立て続けにトライを奪う。ビハインドは一気に4点まで縮まった。
流経大は15分にトライ(ゴールも成功、結果的にこれが貴重だった)を奪っ
てリードを拡げるものの、中央大の勢いを止められず防戦一方。25分、33
分にも中央がトライを挙げ、ついに点差は1点。20分のPG失敗も含め、後
半はゴールキックが1本も決まらなかったことが中央大にとっては悔やまれる。
結局、逆転勝利をねらう中央大の猛攻を流経大が最後まで凌ぎきり、ノーサイ
ドとなった。
[試合後の感想]
1次攻撃からでも思い切ってオープンに展開し、チャンスがあれば防御の薄い
ところで勝負する、というのが今年の流経大が目指すラグビー。ただ、ミスが
多かったこともあり、とくに前半、圧倒的に攻めていながらも思うように得点
ができなかった。この辺りが今後の反省材料であろう。BKには例年以上に役
者がそろっており、SOのアンダーソンがラインを自在に動かすことができる
ようになれば、面白いチームができあがる。
中央大は勝ち試合を落としてしまった感が強い。ゴールキックも含めてキック
ミスが響いた格好だが、キックに頼りすぎた面も反省材料。流経大が蹴り合い
にお付き合いしてくれたため点差が広がらなかったが、自陣からでも地道にリ
サイクルをしながら継続するチャレンジも必要と思われる。
蹴り合いの様相を呈していた試合に、かなわぬ夢とはいえ、もう一度ニールソ
ン(現NEC)がいた頃の流経大のカウンターアタックを観てみたい、という
想いを抱いた。
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