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関東大学ラグビーリーグ戦グループ1部(2003/09/28) 於:高崎浜川競技場
<試合結果>
T G PG DG 得点 | 総得点 反則
大東文化大学:前半: 2 0 1 0 13 |
:後半: 3 2 0 0 19 | 32 20
+------------------+-------------------------------+-------------+
東海大学 :前半: 2 0 0 0 10 |
:後半: 4 4 0 0 28 | 38 11
◎出場メンバー
大東 : 1.志村 2.太田 3.藤田 4.丸山 5.石神 6.小泉 7.相 8.フィリピーネ
9.吉村 10.藤山 11.フォカトゥ 12.神野 13.増田 14.畠山 15.海老原
(16.木川 17.羽鳥 18.生沼 19.橘 20.寺西 21.塚元 22.岩渕)
○交替 11→22(後20分入), 13→21(後30分入), 5→18(後36分入),
1→16(後44分入)
●シンビン 8(前40分)
東海 : 1.倉田 2.高 3.楢岡 4.豊田 5.湯井 6.梶村 7.田中 8.太田
9.吉田 10.三木(康) 11.沼田 12.高倉 13.鈴江 14.陳 15.三木(佳)
(16.大里 17.岩本 18.井上 19.普久原 20.宇野 21.柴原 22.真崎)
○交替 10→22(前28分交), 5→18(後26分入), 15→21(後26分入),
1→17(後43分入)
レフリー : 平林 タッチジャッジ : 小澤、大島、金田
◎得点経過
大東文化大学 0 5 10 13 13
T T P
時間 0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
T T
東海大学 0 5 10 10
大東文化大学 13 20 27 32 32
G G T
時間 0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
G G G G
東海大学 10 17 24 31 38 38
※時間×10分,T=トライ(5点),G=トライ+ゴール(7点),P=PG(3点),D=DG(3点),x=PG失敗
◎得点者
大東:前半 1分 FW(T)
13分 海老原(T)
34分 藤山(PG)
後半 5分 相(T) 、藤山(G)
21分 フィリピーネ(T)、藤山(G)
43分 海老原(T)
東海:前半18分 太田(T)
42分 陳(T)
後半 2分 高倉(T)、真崎(G)
10分 認定(T)、真崎(G)
30分 高(T) 、真崎(G)
33分 沼田(T)、真崎(G)
◎試合内容
[試合前の雑感]
大東大は東海大に目下2連敗中。2000年(東海大が1部に復帰)のシーズンも
勝利は収めたものの大苦戦している。FWのセットプレーが安定し組織的に戦
うチームにはどうも分が悪い。苦手意識を作らないためにもここは勝っておき
たいところ。一方の東海大も昨年の3位以上の成績を目指すためには負けられ
ない。熱戦が期待された。
[前半の戦い]
大東大はキックオフ直後からFWの素晴らしいプレッシャーで東海大ゴール前
に迫る。ラインアウトのチャンスからFWがドライビングモールで力強く前進
しトライを奪った。キックオフから僅か1分の出来事。サイズがある選手が揃
っていることもあり、大東大FWはなかなか強力。
浮き足立つかに見えた東海大だったが、BK展開を主体とした持ち前の組織的
な攻撃で反撃。リズムを掴み始める。しかしながら、13分に一瞬の隙を突か
れ失点。大東大FBの海老原がハーフウェーライン付近からのカウンターアタ
ックで東海大のディフェンダーを次々とかわし50mを走りきってトライ。大
東大はここで一気に波に乗るかに見えた。
しかし、東海大も負けていない。18分に大東大ゴール前で得たラインアウト
を起点としてオープンに展開。最後はNo.8の梶村がインゴールに飛び込み食い
下がる。以後、東海大優位の展開となった。大東も(らしからぬ、と言うと叱
られそうだが)粘り強いディフェンスを見せ、なかなかゴールラインを割らせ
ない。逆に33分にSO藤山がPGを決め、リードを8点に拡げた。
大東としては、このまま前半を終わりたいところだったが、40分にNo.8のフ
ィリピーネが痛恨のシンビン。自陣ゴール前での反則の繰り返しに対するもの
であった。ここで得たPKからの連続攻撃で東海大の右WTB陳がインゴール
に飛び込み、大東大のリードは3点に縮まる。勝負はほぼ振り出しに戻って前
半終了となった。
[後半の戦い]
後半は逆転に次ぐ逆転の緊迫した展開。まずは東海大。2分に大東陣でのライ
ンアウトを起点とした攻撃で右WTB陳がこの日2つ目のトライを奪いリード
を奪う。その直後の5分、今度は大東大が左WTGフォカトゥの力強いランで
東海陣深くに攻め入り、最後はFL相がトライを奪って再逆転に成功。大東大
が今度こそペースを掴むかに見えた。
しかしながら、ここでも大東大に痛恨のミス。10分に大東大の自陣ゴール前
での度重なる反則に対して東海大に認定トライが与えられ、東海大がまたして
も逆転。大東大はディフェンスがやや受け身(追いタックル気味)のためラッ
クで寝込んでしまうことが多く、このことが多くの反則を取られる原因になっ
たものと思われる。
ただ、自陣からでもキックをほとんど使わずにオープン展開にFWの縦攻撃を
交えながら積極的に攻めたのがこの日の大東大。組織的でありながらも、随所
に自由な発想でボールを繋ぐ継続ラグビーは観ていて(とても)楽しい。21
分にはフィリピーネが汚名挽回とばかりに東海大ゴール前の5mスクラムから
力強くゴールに飛び込み(またしても)逆転。今度こそ、東海大の息の根を止
めたかに見えた。
ところがどっこい。昨年以降めっきり精神面での逞しさを増した東海大。30
分と33分に立て続けにトライを奪い逆転からリードを11点差まで拡げた。
38分のPGは失敗したが、大東大もスタミナ切れの状態でこのままノーサイ
ドを迎えるかと思われた。
ところが、もひとつどっこい。大東大も最後の意地を見せる。土壇場の43分
に海老原がこの日2つ目のトライ。ゴールは失敗したものの1トライ+1ゴー
ルで逆転可能な6点差。スタンドは俄然盛り上がった。東海大キックオフを大
東大FWがノックオンし、万事休すか、と思われたがもう1プレーの時間が残
っていた。
東海大スクラム。何かが起こるような予感がした。果たして、大東大が相手ボ
ールを奪取。フィリピーネが右タッチライン沿いをばく進し、抜ければトライ
に繋がる!というところで、惜しくもタックルにあいタッチアウト。左オープ
ンに回していれば...はもちろん結果論。最後までハラハラドキドキ、楽し
ませてもらった。
[試合後の感想]
緒戦とあってミスは目立ったが、両チームとも持ち味を発揮した好ゲームだっ
た。大東大は一時期カゲを潜めていた奔放さが戻ってきたように見えたのが嬉
しい。チームのまとまりも良さそう。ハーフタイムにラトウ監督の指示を全員
が真剣に聞いていた姿が強く印象に残る。
東海大はやはり精神面の成長が嬉しい。一部復帰から旋風を巻き起こしてはい
るが、強さと脆さを兼ね備えたようなチームであった。一昨年のシーズン、大
東大に勝利した直後にまったく別のチームになってしまい、大学選手権どころ
か入替戦(それも、あわや2部転落)を戦うことになってしまったことが記憶
に新しい。
前の日に観た関東学院に比べると「まだまだ」の感はあるが、「リーグ戦は関
東学院と法政だけ」と言われないためにも、この2チームには頑張ってもらい
たい。
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