LIVE REPORT from RUGBY STADIUM

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○観戦記録 中央大学 vs 大東文化大学(2003年10月 5日)

関東大学ラグビーリーグ戦グループ1部(2003/10/05) 於:熊谷ラグビー場

<試合結果>

            T  G PG DG 得点 | 総得点 反則
 中央大学  :前半: 1  1  2  0 13 |
       :後半: 2  1  0  0 12 |  25  6
 +------------------+-------------------------------+-------------+
 大東文化大学:前半: 2  0  0  0 10 |
       :後半: 4  1  0  0 22 |  32 19

◎出場メンバー

 中央 : 1.長谷川 2.諸隅 3.藤本 4.羽立 5.今井 6.日隅 7.森 8.末永
      9.正田 10.升本 11.中村 12.橘 13.有田 14.室井 15.今藤
     (16.池田 17.千田 18.石丸 19.久保 20.寺本 21.工藤 22.小俣)

    ○交替  3→17(後24分入), 5→18(後24分入), 8→19(後24分入),
        9→20(後34分入), 11→22(後38分入)

 大東 : 1.志村 2.太田 3.藤田 4.丸山 5.生沼 6.石神 7.相 8.フィリピーネ
      9.吉村 10.藤山 11.岩淵 12.神野 13.増田 14.畠山 15.海老原
     (16.木川 17.羽鳥 18.マヘ 19.小泉 20.寺西 21.塚元 22.中島)

    ○交替  3→17(後7分交), 5→18(後7分交), 6→19(後27分交) 

 レフリー : 緒方   タッチジャッジ : 青戸、関、長谷川

◎得点経過

 中央大学    0         3                 6         13          13
                         P                 P         G
    時間     0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
              T     T
 大東文化大学  0    5     10                                     10


 中央大学   13      18                                    25   25
                T                                     G
    時間     0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
                   T             G         T   T
 大東文化大学 10         15            22        27  32          32

 ※時間×10分,T=トライ(5点),G=トライ+ゴール(7点),P=PG(3点),D=DG(3点),x=PG失敗

◎得点者

 中央:前半 8分 森 (PG)
      26分 森 (PG)
      36分 橘 (T)、森(G)
    後半 5分 室山(T)
      43分 今藤(T)、森(G)
 大東:前半 3分 畠山(T)
       9分 相 (T)
    後半 8分 マヘ(T)
      22分 相 (T)、吉村(G)
      32分 マヘ(T)
      36分 岩淵(T)

◎試合内容

[試合前の雑感]

ともに緒戦を僅差(中央は1点差、大東大は6点差でそれぞれ惜敗)で落とし
たチーム同士の対戦。上位争い戦線に残りたい両チームにとって、ここは負け
られないところ。過去の対戦でも乱戦模様となることが多いこのカード。果た
して今年はどんな試合になるだろうか。

[前半の戦い]

序盤は自陣からでもキックを極力使わないで積極的に攻める大東大が主導権を
握った。開始直後の3分、中央大が大東大陣に蹴りこんだところを果敢なカウ
ンターアタックで連続攻撃。最後は右WTB畠山がトライを挙げ大東大が見事
な先制パンチ。ワイドに展開するオープン攻撃に、フィリピーネ、相らの強力
な縦への突破を織り交ぜた継続ラグビーは観ていてとても楽しい。

大東大は8分にPGで3点返されたものの、その直後のキックオフではFWが
激しいプレッシャーをかけて中央ボールを奪って一気にゴール前へ。ラックか
ら出たボールをSO藤山がフォローしたFL相に繋ぎ、ノーホイッスルトラ
イ。このまま大東大が圧勝か?のムードも漂う展開となった。

しかしながら、強力な先制パンチにもひるむことなく中央も反撃。中央の得意
とする形(FW周辺でテンポよくボールを動かしながら素早く縦を突き、最後
は俊足のWTBで仕留める)が出始めると、ゲームの流れは徐々に中央に傾い
ていった。大東は相変わらず自陣での反則が多く、自らリズムを崩してしまっ
た感もある。26分のPG、そして36分のトライ(ゴール成功)で中央は逆
転に成功。いずれも自陣で犯した反則が痛い失点に繋がってしまった。

ただ、中央も完全にペースを握ったとは言い難い状況。自陣からの攻撃は判で
押したように「キック」で、思わず「蹴るな〜」と叫びたくなるシーンは数知
れず。せっかくいい形(前述)を持っているのに、それを活かさないのは本当
にもったいない、と思う。とはいえ、大東の序盤の勢いはどこへやらという感
じで前半が終了した。

[後半の戦い]

後半の序盤は前半を引きずる形で中央ペース。5分に中央が挙げたトライは、
これまた大東ゴール前のラインアウトを起点としたもの。意気消沈しかけた大
東だったが、7分にマヘを投入したところで流れは再び大東へ。8分にフィリ
ピーネとのコンビによる強力な縦突破からのトライで大東は息を吹き返した。
この2人を軸にしたFWによる「リサイクル」はなかなか見応えがあった。

この時間帯、それまでねばり強いディフェンスを見せていた中央FWの足が止
まり始めていたようにも見えただけに、大東にとっては実に効果的な選手交代
だった。大東は22分にFWのパワープレーによるトライで逆転に成功。中央
がFWの選手を入れ替えたのはその直後の24分。最後の点差を考えると、結
果論かもしれないが、あと10分早ければと思う。流れに乗る大東は、続く3
2分と36分にも連続してトライを奪い勝負を決めた。

中央は最後に意地を見せた。終了間際の43分、自陣インゴールから粘り強く
ボールを繋いで前進し、15人で奪った見事な100mトライ。これができる
のに、なぜ簡単に蹴って(相手にボールを渡して)しまうのか、という印象を
強く残した幕切れであった。

[試合後の感想]

敗れはしたが、中央のFL森主将の奮闘ぶりが今日も光っていた。アタックで
は切り込み隊長として、ディフェンスでは強力なタックルで、そしてプレース
キッカーとしてもチームの士気を鼓舞。もうひとり、ゲームプランナーがいれ
ばと率直に思う。緒戦、そしてこの試合の「点差」を考えるまでもなく、中央
は勝てる試合を連続して落としたという感が強い。

大東は、今後の戦いが楽しみ。チームのまとまりはよく、オーソドックスにな
った感はあるものの(観ていて楽しい)大東流の継続ラグビーは健在。自陣で
の反則の多さとFWのセットプレーに小さくない課題はあるが、今後に向けて
(ちょっぴり)期待が膨らんできた。

Edited by Kazunori KONO, 1O/10/2003   Back