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関東大学ラグビーリーグ戦グループ1部(2003/10/05) 於:熊谷ラグビー場
<試合結果>
T G PG DG 得点 | 総得点 反則
東海大学 :前半: 2 2 0 0 14 |
:後半: 4 2 0 0 24 | 39 7
+------------------+-------------------------------+-------------+
流通経済大学:前半: 3 0 1 0 18 |
:後半: 4 3 0 0 26 | 44 8
◎出場メンバー
東海 : 1.倉田 2.高 3.楢岡 4.豊田 5.湯井 6.梶村 7.田中 8.太田
9.吉田 10.真崎 11.沼田 12.高倉 13.鈴江 14.陳 15.三木(佳)
(16.大里 17.岩本 18.井上 19.普久原 20.宇野 21.柴原 22.三木(康))
○交替 9→20(後16分入), 10→22(後16分入), 7→19(後26分入)
流経 : 1.中井 2.湯原 3.小沼 4.鈴木(学) 5.グレイ 6.ローゲセン 7.佐藤 8.清水
9.森(洋) 10.大野 11.鈴木(洋) 12.土生 13.大石 14.徳永 15.森(大)
(16.紙田 17.伊勢田 18.神白 19.杉村 20.鈴木(敬) 21.アンダーソン 22.永山)
○交替 6→19(前39分入), 10→21(前9分入), 5→17(後8分入) ,
15→22(後30分入), 7→20(後30分入), 9→18(後35分入)
レフリー : 原田 タッチジャッジ : 大渕、柳根
◎得点経過
東海大学 0 7 14 14
G G
時間 0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
T P T T
流通経済大学 0 5 8 13 18 18
東海大学 14 21 26 33 38 38
G T G T
時間 0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
G G T G
流通経済大学 18 25 32 37 44 44
※時間×10分,T=トライ(5点),G=トライ+ゴール(7点),P=PG(3点),D=DG(3点),x=PG失敗
◎得点者
東海:前半28分 高 (T)、真崎(G)
37分 沼田(T)、真崎(G)
後半 2分 三木佳(T)、真崎(G)
25分 高 (T)
28分 高倉(T)、高倉(G)
35分 沼田(T)
流経:前半 4分 グレイ(T)
10分 大野(PG)
15分 清水(T)
22分 土生(T)
後半15分 徳永(T)、森大(G)
20分 土生(T)、森大(G)
39分 鈴木陽(T)
41分 徳永(T)、森大(G)
◎試合内容
[試合前の雑感]
緒戦をいずれも勝利で飾った両チームではあったが、チームの仕上がり状態は
まだまだの感があった。とは言っても現時点で関東学院と法政に次ぐ力を持っ
ているのはおそらくこの2チーム。持ち前の「組織」に個々のパワーアップも
加味されたチーム同士の戦いではあるが、緒戦の出来から考えて東海大やや有
利と予想した。
[前半の戦い]
流経大はFLにローゲセンが入り、期待の新人アンダーソンはリザーブに。怪
我のため大事を取ったのかと思ったが、後半の活躍を見るとそうでもなかった
感じ。むしろFWのパワーアップ狙いの布陣と見るべきか。身長2mの鈴木学
も先発に名を連ね、リーグ戦G屈指の強力FWが出来上がった。
序盤は、この流経大の狙い(おそらく)通りの試合展開となった。FWのパワ
ーで東海大を圧倒。前半4分に東海ゴール前のラインアウトからモールを一気
に押し込んでトライを奪うと、以後、20分過ぎまで東海は防戦一方の予想外
の展開。鈴木学の加わったラインアウトは強力で、リーグ戦G屈指のジャンパ
ーである東海大の湯井もたじたじといった感じ。
鈴木学は昨年に比べると逞しくなっており、ラインアウト以外でも随所で活躍
するシーンが見られた。今後の成長が楽しみである。また、ローゲセンもボー
ルによく絡み、相変わらずの仕事人ぶりであった。個人的には彼がレギュラー
で出ていた方が相手にとっても脅威のような気がする。
勢いに乗る流経大。22分にはビッグプレーからのトライが生まれた。相手キ
ックを自陣でキャッチしたFB森(大)がハイパント。ボールの落下点でジャン
プ一番、タップパスのような形でBKラインにパスを繋ぎ、そこから流経大は
一気にオープン展開。CTBの土生が切れ味鋭いステップワークで相手ディフ
ェンダーを振り切りインゴールに飛び込んだ。
このまま流経大のペースで試合は進んでいくかと思われたが、25分過ぎから
東海大も持ち前の高速バックスリーの走力を活かして反撃に転じる。BK展開
勝負になれば東海大の得意の形。左WTBの沼田がボールを持つと何かが起こ
る。また、28分にトライを挙げたフッカー高の走力も東海大の重要な武器の
ひとつと言っていいだろう。前半の後半は一転して東海ペースの展開となった。
37分に東海大がトライを奪ったところで(たまらず?)流経大ベンチが動い
た。SOの大野に代えてアンダーソンを投入。おそらく、前半の内に流れを変
えておきたかったのだろう。外人枠のためとはいえベンチに下がらざるを得な
かったローゲセンの顔には「何で?」と書いてあったようにも見えた。もちろ
ん、流れを自分たちの方に引き戻すには時間が短すぎたことは言うまでもない。
前半終了時点で流経大のリードは4点まで縮まった。
[後半の戦い]
開始早々の2分に東海大がトライを奪い逆転に成功。このまま試合は東海ペー
スで進むかと思われたが、アンダーソンを投入した流経大のBK攻撃が機能し
始める。アンダーソンはサイズはないものの、球際の強さは抜群。タックルで
潰されたと思った瞬間、ボールはちゃんと味方選手に繋がっているといったシ
ーンは感動もの。このプレーは15分の流経大再逆転トライに繋がった。流経
大は続く20分にもトライを奪いリードを広げる。
しかし勝負はわからない。25分にこの日大活躍の高がトライを奪うと、東海
大は28分と35分にもトライを重ねて再々逆転に成功。6点リードという微
妙な点差ではあったが、勝負の女神は東海に微笑んだかに見えた。
しかし、しかし、勝負はわからない。39分に流経大の右WTB鈴木がゴール
右隅に飛び込んでビハインドは1点。ゴール成功、逆転とはならなかったもの
の流経大は最後まであきらめずにキックオフのボールを確保して自陣よりカウ
ンターアタック。今度は左WTBの徳永がゴールラインを越えて土壇場で逆転
に成功。手に汗握る熱戦にピリオドが打たれた。
[試合後の感想]
組織的なチーム作りで定評のある両チームではあるが、「個」が組織に埋没し
ていないことも強み。流経大では鈴木学の高さ、大石の超ロングキック、土生
の力強いステップ(とキャプテンシー)、徳永の力強いラン、東海大では高の
BK並の走力、沼田の高速ランなどがこの試合では特に印象に残っている。
まだまだ2強(関東学院と法政)に対してはチャレンジャーかもしれないが、
この2チームは着実に地力をアップさせている。地道な努力が実を結ぶ日もけ
して遠くはないものと思われる。
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