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○観戦記録 関東学院大学 vs 流通経済大学(2003年10月26日)

関東大学ラグビーリーグ戦グループ1部(2003/10/26) 於:三ツ沢陸上競技場

<試合結果>

            T  G PG DG 得点 | 総得点 反則
 関東学院大学:前半: 5  4  0  0 33 |
       :後半: 4  3  0  0 26 |  59 12
 +------------------+-------------------------------+-------------+
 流通経済大学:前半: 1  0  1  0  8 |
       :後半: 3  2  0  0 19 |  27 17

◎出場メンバー

 関東 : 1.土肥 2.山本 3.田中 4.三根 5.犬飼 6.林 7.鈴木(博) 8.八木
      9.高安 10.入江 11.水野 12.河津 13.田井中 14.北川(智) 15.有賀
     (16.北川(喬) 17.坂本 18.大鰐 19.小畑 20.堺田 21.大津留 22.山下)

    ○交替  10→22(後33分入替)

 流経 : 1.中井 2.湯原 3.小沼 4.神白 5.鈴木(学) 6.ローゲセン 7.佐藤 8.清水
      9.森(洋) 10.アンダーソン 11.森竹 12.土生 13.大石 14.徳永 15.森(大)
     (16.紙田 17.伊勢田 18.グレイ 19.鈴木(敬) 20.備瀬 21.大野 22.鈴木(陽))

    ○交替  6→22(前4分入替), 4→18(後0分入替), 7→19(後0分入替),
        2→17(後10分入替), 11→22(後10分入替)
    ●シンビン 10(後半9分)

 レフリー : 谷口(日本協会)  タッチジャッジ : 河野、土屋、丸本

◎得点経過

 関東学院大学  0 7              14           21  26    33        33
                 G              G            G   T     G
    時間     0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
                                    P               T
 流通経済大学  0                          3               8       8


 関東学院大学 33               40  47              52  59        59
                         G   G                T  G   xx
    時間     0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
                                  G   T     G
 流通経済大学  8                        15  20    27             27

 ※時間×10分,T=トライ(5点),G=トライ+ゴール(7点),P=PG(3点),D=DG(3点),x=PG失敗

◎得点者

 関東:前半 6分 水野(T)、入江(G)
      15分 北川智(T)、入江(G)
      28分 水野(T)、入江(G)
      32分 北川智(T)
      38分 北川智(T)、入江(G)
    後半14分 犬飼(T)、入江(G)
      18分 八木(T)、入江(G)
      35分 山本(T)
      38分 鈴木博(T)、入江(G)
 流経:前半25分 大石(PG)
      41分 備瀬(T)
    後半23分 徳永(T)、大石(G)
      27分 グレイ(T)
      33分 中井(T)、大石(G)


◎試合内容

[試合前の雑感]

過去6シーズン(1997年〜2002年)を振り返ってみると、関東学院はリーグ戦
で3試合しか敗れていない。そのうち2つは法政との対戦であり、残りの1つ
は流通経済大(流経大)との対戦。また、流経大が1部昇格を果たしたときの
緒戦(20−29で惜敗)は鮮烈なデビュー戦として今も語りぐさになっている。

ここ数シーズンの両チームの対戦は大差で関東学院が勝利する形となっている
が、試合内容を見れば流経大は善戦していると言える。組織プレーを重視し、
基礎技術がしっかりしているチーム同士の対戦はいつも熱戦になる。強力FW
を擁し、新人アンダーソンがBKを掌握しつつある流経大がどのような攻撃を
見せるかを楽しみにキックオフを待った。

[前半の戦い]

関東学院は大東大戦で負傷した霜村に代わり田井中がCTBに入った。そして
バックスリーは水野、北川(喬)、有賀の大学ラグビー界屈指の高速ランナーが
名を連ねる。流経大は少しメンバーの入れ替えがあるもののほぼベストメンバ
ー。序盤から熱戦が展開されることが期待された。

関東学院のキックオフで試合開始。最初の得点はその直後に記録された。関東
学院FWがキックオフのボールを流経大陣内で味方方向にタップし、すかさず
オープンに展開。左WTB水野が快足を飛ばしてインゴールに飛び込んだ。こ
の時点で、時計はまだ1分を刻んでいなかった。あまりにも呆気ない先制点で
あった。

しかしながら、これで、流経大は目を覚ます。3分にはカウンターアタックで
関東学院陣深くへ攻め込みトライへのラストパス!と思われたところでスロー
フォワード。関東学院もすかさず反撃し、序盤は攻守がめまぐるしく入れ変わ
る序盤は激しい攻防戦が展開されたった。流経大の前に出るディフェンスのプ
レッシャーが厳しく、関東学院も攻めあぐむ状態。このあたりは霜村の欠場が
影響したのかもしれない。

流経大も肝心なところでミス(オフサイドやノックオンなど)が出る。せっか
く関東学院陣内でゲームを進めながら、ゴールラインに到達する前に攻撃権が
相手に移ってしまい、なかなか得点できない。流経大首脳陣にとってもはがゆ
い時間帯であった。

そうこうするうちに、15分に関東学院が追加点を奪う。流経陣内のラインア
ウトからモールを形成してぐいぐい押し込み22mライン内へ。ここでオープ
ンに展開し、今度は右WTBの北川喬がトライ。流経大がやや優勢なのに、得
点は関東学院の方が確実に増えていくという試合展開となった。

流経大は25分にPGで3点を返し、その直後のキックオフではカウンターア
タックから一気に関東学院ゴールまで攻め込みトライか、と思われたがボール
をタッチダウンできず追加点のチャンスを逃した。ここでゲームの流れが変わ
り、関東学院は28分、32分、38分と立て続けに3トライを奪う。ここで
も自慢の両WTBの高速ランが際だっていた。

28分のトライは流経陣での関東学院ボールラインアウトをスティールし、B
Kでアタックを仕掛けたところをターンオーバーされて、また、32分のトラ
イはパスミスを拾われてそれぞれ奪われた。何とももったいない失点ではあっ
たが、相手のミスは絶対に(と言っていいほど)見逃さない関東学院はさすが
である。流経大は41分にようやく1トライ返したが、25点差と少し重い点
差が残っての前半終了となった。

[後半の戦い]

開始早々の1分、流経大が大きなチャンスを掴む。関東学院BKのパスをイン
ターセプトしたFL鈴木敬がゴール前へ。しかしながら、入江が素晴らしい戻
りでタックルを決め間一髪で失点を防いだ。霜村の欠場のためか、本日の関東
学院のBK攻撃は今一歩キレがない。いつになくFWのドライビングモールで
前進という場面が多く見られた。

9分には流経大に痛恨のプレー。アンダーソンがレイトチャージの反則でシン
ビンを受け一時退場し、司令塔不在の状態となった。関東学院はこのチャンス
を見逃さず、14分と18分に得点を重ねて流経大を一気に突き放す。14分
のトライはFB有賀が両WTBに負けじと豪快なランニングを披露した。

8−47と逆転勝利は絶望的な状況となった流経大ではあった、20分にアン
ダーソンがシンビンから復帰すると粘りを見せた。伊勢田やグレイらのパワー
が炸裂し、FWがどんどん前に出る。関東学院のFWにいつもの元気がなく、
足が止まりかけていた状況ではあったが、23分、28分、33分に立て続け
に3トライ。後の2つはFWのパワーで奪い取った価値あるトライだった。

流経大は終盤の35分と38分にトライを奪われ、結局、ダブルスコアでの敗
戦となってしまった。ただ、失点はほとんどが自分たちのミスに起因したもの
であることを考えれば、来シーズン以降がとても楽しみになってきた。

[試合後の感想]

過去6シーズン、常に自分たちのスタイルを追い求めて苦労に苦労を重ねてき
た流経大ではあったが、ようやくゴールが見えてきたのではないだろうか。こ
の試合の後半に見せた戦い方に、確実性(ミスや反則を極力少なくし、球出し
を安定させる)が加えることができれば強力チームが出来上がる。一朝一夕と
はいかないが、残り3試合を大切に戦ってほしいと思う。

関東学院は圧勝したものの、不満の残る戦いではなかったかと思う。FW戦で
イーブン、または優位に立てなかった場合の戦い方に課題が残ったと言えるか
もしれない。法政FWの速さへの対策など、山村主将復帰後のFWの仕上がり
に注目していきたい。

Edited by Kazunori KONO, 26/Oct/2003   Back