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関東大学ラグビーリーグ戦グループ1部(2003/11/03) 於:三ツ沢陸上競技場
<試合結果>
T G PG DG 得点 | 総得点 反則
大東文化大学:前半: 1 0 0 0 5 |
:後半: 3 2 0 0 19 | 24 16
+-----------------+-------------------------------+-------------+
日本大学 :前半: 2 2 2 0 20 |
:後半: 2 1 0 0 12 | 32 16
◎出場メンバー
大東 : 1.志村 2.石渡 3.藤田 4.丸山 5.生沼 6.マヘ 7.相 8.飯島
9.吉村 10.末永 11.海老原 12.神野 13.藤山 14.岩淵 15.政田
(16.フィリピーネ 17.羽鳥 18.佐藤 19.太田 20.寺西 21.戸嶋 22.畠山)
○交替 10→21(後0分入替), 8→16(後5分入替), 2→17(後10分入替),
13→22(後34分入替), 7→18(後39分入替)
日大 : 1.北島 2.手塚 3.高橋 4.ラタ 5.古賀 6.山口 7.トーエツ 8.津田(健)
9.塩谷 10.大神 11.梅澤 12.河野 13.水田 14.藤原(丈) 15.藤原(誠)
(16.飯田 17.上田 18.津田(大) 19.タフィア 20.八重樫 21.松下 22.金川)
○交替 10→21(後25分交代), 2→17(後34分入替), 4→18(後34分入替)
レフリー : 渡辺(日本協会) タッチジャッジ : 石本、吉田、高知尾
◎得点経過
大東文化大学 0 5 5
T
時間 0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
P G G P
日本大学 0 3 10 17 20 20 5
大東文化大学 5 12 17 24 24
G T G
時間 0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
T x G
日本大学 20 25 32 32
※時間×10分,T=トライ(5点),G=トライ+ゴール(7点),P=PG(3点),D=DG(3点),x=PG失敗
◎得点者
大東:前半18分 相 (T)
後半10分 海老原(T)、政田(G)
16分 政田(T)
22分 マヘ(T)、政田(G)
日大:前半 5分 大神(PG)
20分 津田健(T)、梅澤(G)
26分 藤原丈(T)、大神(G)
39分 梅澤(PG)
後半 4分 ラタ?(T)
41分 ? (T)、松下(G)
◎試合内容
[試合前の雑感]
4試合終了時点でいずれも1勝3敗と上位進出が苦しくなった両校。ではある
が大学選手権出場可能圏の5位以内に入るチャンスは十分に残されている。そ
ういった意味でも、この試合はどちらにとっても絶対に落とせない一戦と言え
る。あいにくの雨模様ではあるが、熱戦を期待して三ツ沢に向かった。
[前半の戦い]
大東、日大ともBKラインに同じような変更があった。大東はこれまでSOを
務めてきた藤山がCTBに回り、代わりに末永がSOに入った。また、日大も
同様にSO河野がCTBに回り、大神がSOに。チーム事情はうかがい知るよ
しがないが、この変更、果たしてどちらに吉と出るか。
先制したのは日大。5分にゴール正面35m付近の位置からPKをSO大神が
慎重に決めた。開始直後は大東がオープン展開でペースを握りかけたものの、
このPGを境にして日大が少しずつペースを掴み始める。FWの縦突進を基調
としたアタックは強力で大東はこれをなかなか止められない。ただ、最終的に
はノックオンやオフサイドの反則によりゴールラインに届く前に攻撃が途切れ
てしまうのも日大らしい。
試合はやや日大ペースながらしばらく膠着した状態が続いた。大東大(とくに
FW)は関東学院と法政に大敗したショックが尾を引いているのか、ちょっと
元気がないように見受けられた。しかしながら、大東も18分にワンチャンス
をものにしてトライを奪う。HWL付近のラインアウトから左オープンに展開。
左WTBが日大ディフェンスに掴まるものの、フォロワーが次々とパスを繋ぎ
ながら縦をつき、最後はFL相主将がインゴールに飛び込んだ。
これで大東元気なるかとおもいきや、その後がいけない。日大の左WTB梅澤
がHWL付近からのカウンターアタックで大東陣22m付近まで大きくゲイン。
ラックからNo.8津田主将がショートサイドを一気に走り抜け、日大はあっとい
う間に逆転に成功。これで日大FWに完全に火がついた。
続く26分にはHWL付近左タッチライン沿いでの大東ボールラックに日大F
Wが強力なプレッシャーをかけてターンオーバーに成功し、すかさず右オープ
ンに展開。この日CTBに入った河野が大きくゲインし左WTB藤原丈にラス
トパス。力強さに速さが加味された見事なトライだった。ここでは日大の選手
起用(河野をCTBへ)が当たった。
さらに日大は37分に大東ゴール前で5mスクラムの絶好のチャンスを得る。
強力なプッシュの前に大東は連続してコラプシング。結局、残り時間の関係も
あり39分に日大はPGで3点を追加し、20対5の15点リードで前半を終
了。雨脚もやや強くなり始め、なんだか天候もFW勝負の日大に味方している
ような感じであった
[後半の戦い]
後半から大東はSO末永に代わって新人の戸嶋を起用。何とかチームの勢いを
変えたいところであろうが、ちょっとFWに元気がなさ過ぎるように感じた。
後半ピッチに登場した際も、下を向いている選手が多かった。
果たして、開始早々の2分にまたしても日大は大東ゴール前で5mスクラムの
チャンスを得る。今度はスクラムをぐいぐい押し込んでトライを奪いリードを
20点に拡げた。ここで勝負あったか?
大東ベンチ、たまらずNo.8の飯島に代えてフィリピーネを投入。不思議なこと
に、この選手交代が効を奏し、大東が息を吹き返す。10分には日大陣でのラ
インアウトを起点としてオープンに展開。逆サイドからライン参加した左WT
Bの海老原がいいスピードでボールをもらい日大ディフェンスを切り裂いてト
ライ。日大は大東に傾いた流れを変えようと14分に右中間22mの位置から
PGを狙うものの失敗。
大東はさらに活気づく。16分にはフィリピーネの縦突進を起点としてFB政
田がトライを奪い、日大のリードは8点に縮まる。そして22分。大東は日大
ゴール前で5mスクラムのチャンス。左オープンに展開しラックを経てフィリ
ピーネが豪快にトライを決める。ついに日大のリードは僅か1点に。勢いから
見て、大東の逆転は時間の問題かと思われた。
しかしながら、ゲームはここからまた膠着状態に。お互いに決め手を欠くとい
うか細かいミスや雑なプレーでなかなか得点できない。時間はどんどん経って
いき、時計の針が40分を過ぎたところで大東ゴール前での日大ボールの5m
スクラム。大東はこの絶体絶命のピンチをしのげず終了間際に7点を献上。日
大は大学選手権に向けて貴重な勝ち星を挙げることができた。
[試合後の感想]
先だっての中央戦に引き続き、日大は強力スクラムにより勝利をもぎ取ったと
言えそうである。スクラムの強化によるチーム立て直しは着実に進んでいるよ
うに見える。ただ、ディフェンスには依然として課題が残る。大東のトライの
場面ではタックルの甘さが目に付いた。大東に付け込まれることはなかったが
組織ディフェンスも2次の段階で綻びが出てしまうのは相変わらず。次の相手
の流経大はこの辺りをつくのが上手いので要注意である。
大東大の敗因はFWのパワー不足に尽きると思う。そういった意味でもフィリ
ピーネを後半から投入したのは疑問。前半で15点リードを奪われたのが最後
まで響いた。後半からSOに入った戸嶋はパス、キックとも無難にこなしてい
た。これは明るい材料。藤山がCTBに入ることにより、大東のアタックの幅
も拡がるのではないだろうか。
泣いても笑ってもの残り2試合。日大が一歩リードした格好であるが、大東も
あきらめずに頑張ってほしい。
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