LIVE REPORT from RUGBY STADIUM

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○観戦記録 大東文化大学 vs 山梨学院大学(2003年11月9日)

関東大学ラグビーリーグ戦グループ1部(2003/11/09) 於:熊谷ラグビー場

<試合結果>

            T  G PG DG 得点 | 総得点 反則
 大東文化大学:前半: 8  7  0  0 54 |
       :後半: 6  4  0  0 38 |  92  5
 +-----------------+-------------------------------+-------------+
 山梨学院大学:前半: 0  0  0  0  0 |
       :後半: 1  0  0  0  5 |   5 13

◎出場メンバー

 大東 : 1.木川 2.石渡 3.羽鳥 4.丸山 5.生沼 6.マヘ 7.星 8.フィリピーネ
      9.吉村 10.戸嶋 11.岩淵 12.神野 13.増田 14.畠山 15.政田
     (16.藤田 17.飯島 18.佐藤 19.太田 20.寺西 21.末永 22.松本)

    ○交替  13→22(後0分入替), 8→17(後13分入替), 6→18(後13分入替),
        9→20(後20分入替), 15→19(後25分入替), 10→21(後31分入替),
        3→16(後31分入替)

 山梨 : 1.近藤 2.高山 3.秋谷 4.李 5.北条 6.山本 7.小嶋 8.村田
      9.三條 10.三村 11.阿部 12.菊竹 13.米重 14.神村 15.永井
     (16.天野 17.長嶺 18.相川 19.橋爪 20.須田 21.高橋 22.伊藤)

    ○交替  15→22(前19分入替), 8→19(前30分入替), 6→18(後23分入替),
        9→20(後28分入替), 10→21(後28分入替)

 レフリー : 平林(関東協会)  タッチジャッジ : 森、猪原、加藤

◎得点経過

 大東文化大学  0         7 14  21 28 35   42  49    54           54
                         G G    G  G G    G   G     T
    時間     0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
           
 山梨学院大学  0                                                  0


 大東文化大学 54 61     68  75 82   87        92                 92
           G      G    G G    T         T
    時間     0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
                                                      T
 山梨学院大学  0                                            5     5

 ※時間×10分,T=トライ(5点),G=トライ+ゴール(7点),P=PG(3点),D=DG(3点),x=PG失敗

◎得点者

 大東:前半 8分 戸嶋(T)、政田(G)
      10分 マヘ(T)、政田(G)
      15分 畠山(T)、政田(G)
      18分 政田(T)、政田(G)
      20分 星 (T)、政田(G)
      25分 戸嶋(T)、政田(G)
      29分 フィリピーネ(T)、政田(G)
      35分 神野(T)
    後半 0分 松本(T)、政田(G)
       7分 フィリピーネ(T)、政田(G)
      12分 フィリピーネ(T)、政田(G)
      14分 松本(T)、政田(G)
      19分 吉村(T)
      27分 寺西(T)

 山梨:後半43分 李 (T)


◎試合内容

[試合前の雑感]

今シーズン、大東文化大学の試合を観るのはこれで6試合目。巡り合わせとは
思うが目下のところ全試合を観戦している。シーズン当初は「期待」を抱かせ
たものの、勝利は2戦目の中央大戦のみ。関東学院と法政に対しては、まった
くいいところなく大敗を喫してしまった。負傷者が多く、なかなかベストの布
陣が組めないこともあり、苦しい戦いが続いている。

逆に山梨学院はオープニングゲームとなった関東学院戦以来の観戦。そろそろ
1部リーグでの戦いに慣れ、この試合辺りで初勝利、という状況にはとうてい
なっていないことが気にかかる。1試合平均80点以上の失点を喫し、1試合
で1トライ返すのがやっとと、予想以上に苦戦を強いられている。

何とか元気を出して頑張ってほしいという思いがすべてであった。

[前半の戦い]

大東大FW3列のスタメンに今シーズン初めて!マヘとフィリピーネが名を連
ねた。この2人にこの日は負傷のため欠場した相主将を加えれば、おそらくリ
ーグ戦G最強の攻撃的第3列となるが、何故かこの3人が同時にピッチの上に
立った時間は驚くほど少ない。一方の山梨学院もデータを見る限りは、メンバ
ーの固定に苦しんでいるように見える。こんなところにも、両チームの苦しい
チーム状態がよく現れている。

山梨学院のキックオフで試合開始。折からの雨(小雨模様)の影響もあり、両
チームともなかなかボールに手がつかない状況。双方ともミスが多く、なかな
かペースを握れない。とは言っても、やはり大型選手を揃えた大東FWのパワ
ーは強力。試合が少し落ち着いたところで大東FWの攻撃を止められない山梨
学院FWのパワー不足という実態が浮き彫りになってきた。

大東の最初の得点は8分。山梨学院ゴール前で得たPKからクイックで攻め、
このゲームで先発出場を果たした1年生のSO戸嶋がトライ。戸嶋は先日の日
大戦(後半から途中出場)と同様、この日も落ち着いたプレーを見せた。この
点は大東にとって来シーズン以降の明るい材料と言えるだろう。続く10分に
は自陣22m内から大東特有の強力な8−6(フィリピーネとマヘ)タテ攻撃
で一気にトライを奪う。

以後、大東のトライラッシュが始まる。前半だけで8トライ。FB政田のゴー
ルキックも絶好調で難しい位置からのものも含め8本中7本が成功。原因は1
にも2にも山梨学院のパワー不足に尽きる。関東学院や法政にはほとんど仕事
をさせてもらえなかった大東FWが(少々プレーが雑でも)どんどんボールを
繋いで面白いようにゲインを重ねていくのを見ると、少々複雑な気分になる。
やろうとしていることは変わらなくても、相手次第で天国と地獄ほどの差が出
てしまうと言うことであろうか。

山梨学院は抵抗らしい抵抗もできずにどんどん失点が増えていく。ただ、パワ
ー不足は仕方ないとしても、FWの動きに疑問を感じざるを得ない。関東学院
戦でも感じたことだが、ラックの状態でもフロントファイブの選手がBKライ
ン上に並んでいる状況が結構目についた。FW戦で劣勢を強いられているのだ
から主戦場はBKラインではないはず。残念ながら「パワーが不足ならば運動
量で」という意識はこの日も感じられなかった。

[後半の戦い]

後半開始早々のわずか35秒、後半から登場したばかりのCTB松本(なかな
かの快足ランナーで要注目選手)が記録した。このトライで目が覚めたのか、
山梨学院がようやく抵抗らしい抵抗を見せ始める。3分には大東ゴール前に迫
るものの得点できず。が、気持ちばかりが前に出てアタックに余裕がなくどう
してもプレーが雑になってしまう。

7分にフィリピーネがこの日2個目のトライを決めたところで再び大東のトラ
イラッシュが始まった。フィリピーネは大きな体に似合わずなかなか器用な選
手である。ハンドリングがよく、以前の試合ではスクラムの最後尾(No.8の位
置)からSH省略で直接SOにパスを供給するというプレーも披露していた。
強力な突破力を持ちながらも確実にボールを繋げる選手でマヘとのコンビは来
シーズンの大東の最大の武器となるだろう。また、そうなってほしい。

続く12分にフィリピーネがトライを記録したところで6−8コンビはお役ご
免となりベンチに下がった。以後、やや大東の攻撃力は弱まるものの3トライ
を奪い得点は92点に。山梨学院は最後の最後に粘りを見せて1トライを奪う
のがやっとであった。

[試合後の感想]

大東はこの試合だけでこれまでの5試合分にほぼ匹敵する得点を記録。今シー
ズンはいかに得点力が不足していたかがわかる。最後に流経大戦を残すが、こ
の試合と同じラグビーはできないと考えるのが妥当であろう。この日散見され
た雑なプレーには封印をして、来シーズンに繋げるためにも確実にボールキー
プすることを心がけてプレーしてほしいと思う。

一方の山梨学院の最後の相手は強力FWの日大。大学選手権出場が視界に入っ
てきた日大はここにきて調子を上げてきている。相当に苦しいと言わざるを得
ない。最後の気力を振り絞って頑張ってほしい。

Edited by Kazunori KONO, Nov/10th/2003   Back