願 い(Wish)



 

ある日の日記より 
すべては愛のために   日付:1月8日(木) 2時10分 
ついに、見ました。この映画のことを教えてくれた0型さん、有り難うございました!タイトルだけで判断し、単なるラブロマンスと思い、見るつもりはなかったのです。80年代〜90年代(ついこの間のことです)の間に世界で起きた、紛争、難民の悲惨な現実の中、命がけで救済活動をした人達を目の当たりにしました。そして、今もなお、同じ地球のどこかで不必要な戦争が続いていることへの憤り..重苦しくなる心を、愛の美しさが救ってくれました。
これから、見る方のために、あらすじは言えませんが、多くの名作映画が
そうであったように、音楽の挿入が効果的! 目をそむけたくなる、残酷な映像の中、清らかに、切なく、シュ−マンの「トロイメライ」がピアノで奏でられます。0型さん、これを私に伝えたかったのですね。きっと私も同じ感動を
味わった思います。きっとこの曲を弾く時は平和に感謝し、ていねいに弾くことでしょう。上映期間が残り少ないはずです。これを読んだ方は、是非、見て下さい!
  B型の私より
 
揺れ動く心   日付:1月21日(水) 13時7分 
「すべては愛のために」..これが話題になると、音楽と共に、悲惨な難民の状況、政情や政変の犠牲になった不幸な人達が思い起こされます。
ついに、日本の自衛隊もイラクへ行くことになりました。反対する気持ちと、人道支援に参加しなければ...と、思いは複雑です。私も含め、遠くで討論したり、反対を唱える人間は、一体何ができるのか?腹が立ちます。
現に今、世界各地で、命がけで救済活動をしている、名も無い立派な方々がいるのです。この方々は神に選ばれた人達なのでしょうか?その精神の気高さは、同じ人間でありながらあまりに自分と違います。私は虫けらのようで情けなくなります。昨日、コンサ−トで歌い「ますます精進しなくては!」と決心した私が、今日、自分の音楽が何の力も無いことを思い、途方にくれます。ここで、歌なんか歌っていていいのか?!毎日のように心が揺れ動くこの頃です。「トロイメライ」(夢)は、「子供の情景」という曲集の中の一曲です。
世界情勢など何も知らなかった幼い日、未来は希望に満ちていた..その頃を回想し、現実の不条理の中で聴く「トロイメライ」だから、重く、切なく聞こえるのだと、今日、改めて思いました。
 
メッセ−ジを下さった皆様へ   日付:1月29日(木) 23時31分 
今日の私の誕生日に、お祝いの言葉を送って下さった皆様、有り難うございました!Eメ−ルや携帯電話の方にも送って頂きました。「素敵に年を重ねている」とおだててくれた友もいました。ほんとに、そうなら嬉しいし、良い意味で緊張感を失わずに生きたいと自分に言い聞かせた日でした。「誕生日は、この世に命を頂いたことに感謝する日」と教えてくれた人がいました。私も心から私を産んでくれた母に感謝しています。健康で今年もこの日を迎えられた上に、「おめでとう」と言って下さる方達に恵まれて幸せです。
 1月24日「日本の音楽展」終了後、草月会館にて授賞式があり、奨励賞を授与されました。賞状、トロフィ−、そして金一封を頂きました。
最近の揺れる心を鎮めるため、今日1月29日にその賞金を国連難民募金へ寄付しました。これで自分の歌と社会が繋がったかも?..あまりにささやかな善意ですが、少しは落ち着いて歌に集中できそうな気がしました。
 しばらくは、また勉強です。温かくなる頃、また新しい歌で颯爽と登場したいと思っています。その時は、皆様よろしくお願い致します!
 本当に晴れ晴れした誕生日でした。 
ボンジョルノから広がる社会観   日付:2月2日(月) 18時34分 
嬉しいですね!ボンジョルノ(こんにちわの挨拶)から、社会観が養われたり、平和について考えたり..私はそんな人が奏でる音楽を支持します。
ただし、技術を磨かずには人の心には届きませんから、技術と人間性を共に磨く努力を怠ってはいけないと自分に言い聞かせています。
 0さんが聞いたという津軽三味線は、きっと自然に日本人の心に響くものと思います。形はちがっても、私が「日本の音楽展」に参加するのも、日本人として残したいものだからです。明治以来、西洋音楽に傾倒してきた音楽界ですが、近年やっと、自国の音楽を守ることの大切さに気付き始めました。
若い人達が津軽三味線をカッコ良く演奏することは、嬉しいことです。学校教育に邦楽も、一般教養として入れるようになるそうです。長年、日本人が海外で「貴方の国の音楽を聞かせて下さい」と言われ、戸惑ってきましたが、これからは、胸を張って、自国の音楽を紹介できるようになるでしょう。
 もちろん、西洋音楽は大きな視野に立ち、人類の宝物として、皆で守って行かなければいけないものですが、これからの時代は、各ジャンルの垣根が若者達により取り払われていくような気がします。
 久しぶりの雨の中、生まれ変わった時は公平な世界であって欲しい。そしてまた、歌う人でありたいと思った日でした。