2008年9月議会 一般質問より
1.災害時要援護者の支援体制について
災害時要援護者の台帳への登録について、当初志木市では、平常時における訓練や日常の見守り活動にも活用できるようなものにしようとの主旨で私も提言し、そのように考えられてきたと認識していました。
ところが、7月に行われた登録に関して、障がいのある当事者の方から様々なご意見をいただき調べたところ、登録した情報は災害時にしか使えないことがわかりました。
当事者の方は、制度の全体像がわからない中で、個人情報の管理についても具体的な記載がなく不安なので、今回は登録を見合わせたいということでした。
また、支援を受ける立場の人の参画が無かったことも大変残念とのご指摘もいただきました。
2007年度に市が支援をする人(支援者)、される人(要援護者)のためのマニュアルをつくった際には、障がい者団体やボランティア団体の方々の意見を聞きながら作成し、総合防災訓練の際も、障がい者団体やボランティア団体とともに救出訓練を行ったので、当然それらの方々のご意見が反映されるものと思っていました。
この件については生活安全課・福祉課・高齢者ふれあい課の管理職が協議を重ねながら進めてきたということですが、当事者の方からは「計画の骨子や共通認識がしっかりしていないのではないか。支援していただきたい、また、協力したい気持ちは充分にあるのですが。」ということです。
また、「趣旨は『災害時、また、平常時から、地域住民はお互いに協力し、みんなで手をつないでたすけあっていく地域社会をつくっていきましょう』ということではないか。それを前面に出していけば、支援を受ける人も支援する人も、プライバシーの垣根を越えて協力していこうという気持ちになれるのではないか」とのご意見をいただいています。
このプロジェクトは、高齢者・障がい者等の要援護者、また、支援者としての消防関係者、民生・児童委員、町内会及び自主防災組織と、殆んど全ての市民に関わる志木市始まって以来の大きな取り組みです。
「コミュニティーの問題、プライバシーの問題、人命に関わることであるという問題、この3点から考えても、非常に重要なことであり、焦らないで、少しずつ長いペースでもいいから、柔軟に変えていくという姿勢を持ちながら、長く生きる政策であってほしい」とのご指摘をいただいています。
市民の方々は、一つひとつの施策を点でとらえるのではなく、全体像でとらえており、そうした視点を職員の方にも持っていただきたいと考えます。
山中市民生活部長から、個人情報については厳重な管理をお願いしていくとの答弁がありましたが、先進的に取り組んでいる富士見市では、「市・町会等関係団体が連携して災害時要援護者の支援体制(助け合いネットワーク)を確立した地域で、居住する要援護者について名簿登録を行う」等の指針を定めながら行っています。行政主導ではなく、ネットワーク会議と市の協働で、要援護者一人ひとりの避難支援プランも策定しています。
志木市でも地域防災計画にもとづき、個別の支援プランをつくっていかなければなりません。災害時にしかデータが使えなければ、個別の支援プランをつくることもできません。
登録のため5883郵送し、回答が1737(約30%)、その中で地域支援者の記載があったのは281名でした。障がい者や高齢者の方が自ら支援をお願いするのは大変なことです。
こうした支援のしくみづくりをしていくにあたって、事前に地域に対し、町内会の回覧等で市民の皆様に協力を呼びかける働きかけができなかったか。せめて、町内会や地域包括支援センター等の関係機関に、発送する数ヶ月前に説明できなかったかと非常に残念です。
一方、社会福祉協議会では、地域福祉活動の取り組みとして、2008年度に地域福祉コーディネーター・町内会・民生委員等による地域福祉活動連絡会議でモデル地域を指定し、協力して地域をまわりアンケート調査をしながら、災害時を想定したシミュレーションを行っていくそうです。
「地域防災」について地域の皆様がどのようなことが一番の問題であり、どのようなことに不安を感じているかを小地域ごとに明らかにして、行政・町内会・社会福祉協議会が一体となり、ご近所でのたすけ合いのしくみづくりを進め、今後の「地域防災」への取り組みに役立てていくということです。
市としても、今後地域防災計画にもとづき、「防災及び福祉関係・町内会等の連携した災害時要援護者支援ネットワーク」を構築していかなければなりません。要援護者台帳についても随時登録、見直しを行っていくということです。
関係機関とよく連携をはかり、すべてが有機的につながるように。また、支援をする側、受ける側、関係団体等、それぞれから見た視点を持ちながら行政実務を進めることを求めました。
2.介護保険、高齢者保健福祉の現状と課題について (認知症予防で高齢者の安心を)
3.高齢者、障がい者が利用しやすい交通システムについて
ふれあい号は特定旅客事業として陸運局から許可を得ており、福祉センター・第二福祉センター・保健センター・教育福祉交流センターへの往復しか利用できない仕組みです。
市内循環バスについても以前検討されましたが、ふれあい号と両方では財源的に厳しい等もあり、実現に至りませんでした。
高齢者の方々が足がご不自由になっても、自宅にこもらず外に出て楽しく過ごしていただくことは、生活機能を低下させない介護予防の観点からも社会全体の重要課題です。
「有料でもいいから、自由に外出できる交通手段がほしい。」との高齢者の切実な声が多く寄せられています。予約で走る乗り合いタクシー(デマンド交通方式)についても提言しました。
ふれあい号の契約期間は2011年9月までとなっており、その間に高齢者、障がい者が利用しやすい交通システムを検討するように要請しました。
尚、柳瀬川駅から市民病院の(仮称)総合健診センターまでの交通アクセスについては研究しているとのことでした。
※その後の情報
4.通学区選択の自由化の検証と今後の学校教育のあり方について
通学区選択の自由化については3年目になります。行政施策については、特に新たな政策については3年実施したらゼロベースで検証するのが従来からの政策の検証・評価の基本です。
白砂教育長は「学校間による生徒数の差が生じている現状を踏まえ、適正配置を検討していく。」とのことでしたが、朝霞市は小規模校に小規模特認校という制度を活用し、市が指定して市全域から生徒を受け入れられるようにすることによって、中学校については部活の問題等もクリアしているそうです。
全ての学校の学校教育を活性化し、教育活動をより充実したものにしていかれるよう提言しました。
(2009年2月)
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